Prince Caspian

Prince Caspianを読み終えました。

 

ナルニア国物語シリーズで最初に刊行された『ライオンと魔女』で活躍したペベンシー兄妹が再びナルニアに戻ります。彼らの世界ではほんの一年が経過しただけですが、時の流れが異なるナルニアでは数世紀あるいは数十世紀経っており景色もさまがわりしてしまっています。テルマール人の支配するナルニアでは、ものいうけものたちは人間たちに見つからないように暮らしており、森や木の精たちは深い眠りについています。

 

ペベンシー兄妹たちは、叔父に王位を簒奪され命を狙われているカスピアン王子に魔法の力で呼び出され、ものいうけものたちとともにかつてのナルニアを取り戻す・・・というのがザックリとしたあらすじです。

 

C.S.ルイスが敬虔なクリスチャンであることもあり、シリーズ全体を通して聖書を下敷きにしたエピソードが出てくるのも特徴的です。私もアメリカに来てから時々バイブルスタディに参加する機会があり、昔何も知らずに読んだ時よりも「あれ、これはキリスト教の教えに関係しているのかな?」というアンテナを立てながら物語を楽しむことができた印象を受けました。

 

私は個人的にクリスチャン的視点から物語の解釈を知りたいな、と思ったので、こちらの日本キリスト教団富山鹿島町教会さまのホームページが大変参考になりました。(トップページ>エトセトラ>「ナルニア国物語について」 より閲覧可能です。)

http://w2322.nsk.ne.jp/~tkchurch/index.html

詳細なあらすじも解説に含まれているため、自分が英語で読んでいるときに情景描写などがよく分からず物語が追えなかった時にもとても助かりました。笑

 

もちろんこれらの知識がなくても、王位をかけた戦いにドキドキしたり、個性的なキャラクターたちのやりとりにくすりとさせられたり・・・と充分物語を楽しむことができるのがナルニア国物語シリーズの魅力ですね。

 

今回読んだPrince Caspianは『カスピアン王子のつのぶえ』と題されており、シリーズの2作目に当たりますが、アメリカでは面白いことに4作目 として扱われています。

 

これは日本版では発表順が重視されたのに対して、アメリカ版では物語世界における時系列順を採用しているためだそうです。このことも関係してか、アメリカ版は本シリーズをThe Chronicles of Narnia (直訳でナルニア年代記)と表現しています。

 

ちなみに日本版では

  1. ライオンと魔女(1950年)
  2. カスピアン王子のつのぶえ(1951年)
  3. 朝びらき丸 東の海へ(1952年)
  4. 銀のいす(1953年)
  5. 馬と少年(1954年)
  6. 魔術師のおい(1955年)
  7. さいごの戦い(1956年)

アメリカ版では

  1. 魔術師のおい
  2. ライオンと魔女
  3. 馬と少年
  4. カスピアン王子のつのぶえ
  5. 朝びらき丸 東の海へ
  6. 銀のいす
  7. さいごの戦い

という順番になるので、結構違いますね。(Wikipediaより引用)

 

ちなみに私はナルニア創生のネタバレを数多く含むという『魔術師のおい』は一旦とばして、『ライオンと魔女』→『馬と少年』→『カスピアン王子のつのぶえ』まで読み進めました。『馬と少年』については外伝的な要素が強く途中で読んでも支障がないだろうと判断し、すでに日本版で読んだことのある『ライオン...』と『カスピアン王子...』のチェイサー的な感じで読んでみました。次からは日本版に準拠しつつちびちび読んでいこうかな〜と思っています。

 

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Vocabulary

- headscratching (n):頭をかきむしるぐらい困惑している状態

- blaze (v): 炎が上がる

- rule the roost: 家庭などを牛耳る(英語だとroost:鶏小屋なのが面白い表現)

- chink (n): 細い裂け目、比喩的に法などの抜け道

- chasm (n): 岩場などの深く広い裂け目、比喩的に意見の大きな隔たり・相違

- pull oneself together: 自分を取り戻して冷静になる、しっかりする

- nuisance (n):不快なこと、厄介なこと

- torch (n): たいまつ、懐中電灯

 

文章のレベル・量は児童書なのでさほど難しくないのです。ただし王様や騎士が出てくる物語なので、ところどころ言い回しが古めかしく、少なくとも自分にとっては見慣れない単語や表現が多くて苦労しました。

また、Faun やDryad など神話由来のキャラクターも多く登場するので、背景知識がないと「誰?」みたいな感じになったり、突然魔法で登場人物の姿形が変わったりするんですが語彙力の乏しさのために想像力がついていかなくなることが多々ありました。あとは場面転換を伴う情景描写が長く続くと、どこで誰が何をしているのか見失ったりと、英語の読解力がまだまだだな〜〜ということを思い知らされました。

とはいえ、やはり英語で一冊読みきる達成感はなかなか良いものです。次のThe Voyage of the Dawn Treader も楽しみです。

 

お わ り